高橋さんの後ろの海をバックに、 ペンダントを握りしめながらそっと祈った。
「あとで、 買い物に行こう。 明良達が残していってくれた食材に、 少し足せば大丈夫だと思うから」
「はい」
楽しい事をしていると、 時間の経つのは早い。 昼間は暑いので、 食材の買い物に高橋さんと出掛けて、 夕方からまたお気に入りの海のビーチベッドに座って本を読む。 此処で本を読むのが日課になりそうな感じで、 高橋さんも持って来ていた本を読みながら、 目が疲れるとビーチベッドに横になったりしていた。 サングラス姿の高橋さんも、 格好良いな。 そして、 今日も夕陽が沈みそうな時間になって、 西の空が真っ赤になってきていた。
「綺麗……」
「此処の方がよく見えるから、 おいで」
言われた通り、 高橋さんの座っているビーチベッドの隣りに、 私も座ろうとした
「キャッ!」
すると、 私の腰を持って高橋さんが自分の膝の間に私を座らせると、 後ろから腰に手をまわした。
ひぃ!
恥ずかしい。 きっと今、 顔真っ赤だ。 でも、 夕陽で真っ赤に染まっている眩しさで誤魔化せる? 高橋さんに顔を覗かれても、 夕陽が顔に反射してるって思ってもらえるかな?
「綺麗だな」
「はい……」
言葉に言い表せない、 素晴らしいサンセットだった。
「ニューヨークとは、 また違ったサンセットだな」
「南の国って、 感じがします。 またいつかニューヨークに行く機会があったなら、 あの冬の夕陽もクリスマス・ツリーも見たいです。 私……」
去年の出張の時の事を思い出すと、 今でもドキドキして胸がキュンとなってしまう。
「……」
高橋さんは夕陽に見入っているのか、 返事をしてくれなかった。 きっとこういう幻想的な時って、 あまりしゃべっちゃいけないんだ。 この綺麗な夕陽を、 黙って見ていたいのかもしれない。 そう思って私もジッと夕陽を見つめながら、 去年の出張の時、 迷子になってしまったショッピングセンターで、 夕陽を背中に浴びていた自分を思い出していた。
あの時……高橋さんの髪が、 オレンジ色に輝いて綺麗だった。 今でも、 手に取るように思い出せる。
ハワイに来てから、 これといって何もせず、 だからと言って決して退屈だとも思わなくて、 高橋さんとの時間はゆっくりと過ぎていくように感じられながらも、 時間は刻々と過ぎていった。 でも……不思議とハワイに来てから、 高橋さんは私にキス以上の事は求めて来なかった。 静養に来たのだからとわかってはいたものの、 それが何故か不安定な気持ちになってしまっていた。 夜になると、 自分でもおかしいと思えるぐらい、 高橋さんの些細な行動や仕草に、 敏感になってしまっている。
私……高橋さんを求めてるのかな?
「あとで、 買い物に行こう。 明良達が残していってくれた食材に、 少し足せば大丈夫だと思うから」
「はい」
楽しい事をしていると、 時間の経つのは早い。 昼間は暑いので、 食材の買い物に高橋さんと出掛けて、 夕方からまたお気に入りの海のビーチベッドに座って本を読む。 此処で本を読むのが日課になりそうな感じで、 高橋さんも持って来ていた本を読みながら、 目が疲れるとビーチベッドに横になったりしていた。 サングラス姿の高橋さんも、 格好良いな。 そして、 今日も夕陽が沈みそうな時間になって、 西の空が真っ赤になってきていた。
「綺麗……」
「此処の方がよく見えるから、 おいで」
言われた通り、 高橋さんの座っているビーチベッドの隣りに、 私も座ろうとした
「キャッ!」
すると、 私の腰を持って高橋さんが自分の膝の間に私を座らせると、 後ろから腰に手をまわした。
ひぃ!
恥ずかしい。 きっと今、 顔真っ赤だ。 でも、 夕陽で真っ赤に染まっている眩しさで誤魔化せる? 高橋さんに顔を覗かれても、 夕陽が顔に反射してるって思ってもらえるかな?
「綺麗だな」
「はい……」
言葉に言い表せない、 素晴らしいサンセットだった。
「ニューヨークとは、 また違ったサンセットだな」
「南の国って、 感じがします。 またいつかニューヨークに行く機会があったなら、 あの冬の夕陽もクリスマス・ツリーも見たいです。 私……」
去年の出張の時の事を思い出すと、 今でもドキドキして胸がキュンとなってしまう。
「……」
高橋さんは夕陽に見入っているのか、 返事をしてくれなかった。 きっとこういう幻想的な時って、 あまりしゃべっちゃいけないんだ。 この綺麗な夕陽を、 黙って見ていたいのかもしれない。 そう思って私もジッと夕陽を見つめながら、 去年の出張の時、 迷子になってしまったショッピングセンターで、 夕陽を背中に浴びていた自分を思い出していた。
あの時……高橋さんの髪が、 オレンジ色に輝いて綺麗だった。 今でも、 手に取るように思い出せる。
ハワイに来てから、 これといって何もせず、 だからと言って決して退屈だとも思わなくて、 高橋さんとの時間はゆっくりと過ぎていくように感じられながらも、 時間は刻々と過ぎていった。 でも……不思議とハワイに来てから、 高橋さんは私にキス以上の事は求めて来なかった。 静養に来たのだからとわかってはいたものの、 それが何故か不安定な気持ちになってしまっていた。 夜になると、 自分でもおかしいと思えるぐらい、 高橋さんの些細な行動や仕草に、 敏感になってしまっている。
私……高橋さんを求めてるのかな?


