新そよ風に乗って ⑧ 〜慕情〜

すると、 同時に高橋さんに貰ったパライバトルマリンのネックレスのヘッドが動いて、 金属の擦れる音がした。
「ん? 何? お前……外さなかったのか?」
高橋さんが私に聞きながら、 ペンダントヘッドを左の掌にのせながら見ている。
「あっ……はい」
「でも、 付けたまま寝ていて気にならないか? 別に、 ずっとしてなくてもいいんだぞ?」
微笑みながら、 高橋さんがそう言った。
「だって……」
「ん?」
シーツと毛布の擦れる音がしたと思ったら、 高橋さんの顔が私の真上にあって、 少しだけ私の身体に高橋さんが体重を掛けた。
「今日、 せっかく高橋さんが私に……このペンダントしてくれたから……だから、 それを外すのがもったいなくて……それで……」
何だか、 言ってるそばから自分でも恥ずかしくて、 高橋さんから視線を逸らすように、 顔を横に向けた。
スッと、 高橋さんの両手が私の首の後ろにまわり、 少しくすぐったく感じていると、 付けていたネックレスを外してしまった。
「えっ……。 何で、 外しちゃったんですか?」
高橋さんに視線を戻しながら、 そう訴えた。
「フッ……。 いつでも、 また付けてやるよ!」
高橋さん……。
高橋さんは、 ペンダントをサイドテーブルの上に置くと、 私の左頬を右手で包み込んだ。
「俺は、 お前がそんな事で寝不足になる方がもっと、 い・や・だ!」
「高橋さん……わた……ンッ……ンンッ……」
高橋さんが、 両手で私の頬を包み込みキスをした。
そして、 高橋さんの唇が離れると、 自分の額を私の額にくっつけた。
「そのお前の素直な気持ちだけで、 俺は十分だから」
ち、 近いですって! 顔! 高橋さん。