新そよ風に乗って ⑧ 〜慕情〜

明日の朝は、　早い出発になるからという事で、　　後片付けをして早めに明良さん達も寝るだろうと思って、　それから間も無く高橋さんと一緒に切り上げて自分達のコテージへと戻ってきた。
謝らなきゃ。　さっきからずっと気になっていたから、　リビングのソファーに高橋さんがドカッと腰掛けたので、　少し離れて隣りに座った。
早く、　私から切り出さなきゃ。
「高橋さん。　あの……」
「俺は、　お前を束縛しているのか？」
「えっ？」
唐突に、　高橋さんが言われて戸惑った。
「さっきのお前の話からすると、　俺がお前の重荷になっているみたいだな」
そんな……。
「だとしたら、　この旅行もお前にとっては重荷なんだろ？　だったら、　明日帰ろう」
「高橋さん……」
きっと、　冗談なんかじゃない。　高橋さんは、　本気だ。　
緊張がピークに達して、　身体が震えてきてしまっていた。
「兄貴に連絡すれば、　帰りのチケット２枚ぐらい何とかしてくれるだろうから。　今は、　まだ向こうは朝方だから、　もう少ししたら連絡してみる」
そんな……。