フフッ……。
明良さんが、 また海に担ぎ込まれて投げられている。
明良さんって、 いつもターゲットになっちゃうのね。 色々何だか煩かったりもするけれど、 憎めない。 そんな明良さんのキャラクターが、 大好きだった。
「暇じゃない?」
エッ……。
暫く本に没頭していると、 仁さんが戻ってきて話し掛けてくれた。
「いえ、 大丈夫です。 私の事は気にしないで、 遊んで来て下さい」
「喉乾いちゃってね。 良かったら、 飲む?」
「すみません。 ありがとうございます」
そう言って、 仁さんがペットボトルのキャップを少し開けてから、 ミネラルウオーターのペットボトルを差し出してくれると、 横に座った。
「冷たくて、 美味しい」
仁さんの顔を見ると、 優しく微笑んでくれた。
「それは、 良かった」
仁さんと一緒にミネラルウォーターを飲みながら、 海で遊んでいる3人を見ていた。
「貴博は、 今まで煙草を好きで吸ってきたわけじゃなかったんだよ」
「えっ?」
他愛のない話をしていると、 仁さんが突然そんな事を言い出した。