新そよ風に乗って ⑧ 〜慕情〜

「明良! これ、 美味しい。 地元のお店のロコモコより、 美味しいかもよ」
智子さんが、 明良さんのロコモコを絶賛している。
「やった! 絶対ハワイに来たら、 コレでしょ。 タマネギの甘さが出るこのフライが、 1番の力作なんだ」
明良さんが言うだけあって、 タマネギの甘さが口の中に広がって、 本当に美味しかった。
「この生春巻きも、 美味しい。 中身は、 何?」
智子さんが、 先ほどから明良さんを質問攻めにしている。
「コレ? コレは、 鶏肉と豆モヤシにズッキーニを入れて、 春雨の代わりにパスタのシュウダンシュを入れて、 ごま油と塩コショウで味付けして……あとは、 ライスペーパーで巻くだけ。 調理したのは、 さっと茹でた豆モヤシと鶏肉と、 シュウダンシュだけだから簡単だよ」
明良さんは、 お料理上手。 本当に、 凄いな。 いつも簡単なお料理を、 パパッと作れちゃってそれが全部美味しいんだもの。
「ふ~ん……今度、 作ってみるよ。 それにしても、 このご飯美味しいわ」
「ハハッ……。 それは、 貴博ご推薦のイトウのご飯。 勿論、 貴博も持ってきただろ?」
思わず、 高橋さんの顔を見てしまった。
「ああ」
アハハ……。
高橋さんって、 何処に行くにもイトウのご飯持参なんだ。 何だか、 高橋さんが妙に可愛く見えてしまう。
「なぁに、 にやけてんだよ!」
ギクッ!
高橋さんにいきなり問われて、 にやけていた事を見られたみたいで焦ってしまった。
「い、 いえいえ。 何でもないです。 アハハッ……」
必死に誤魔化しながら、 急いでハンバーグを頬張った。

楽しい食事も終わり、 食洗機に食器を入れて食休みをしてから、 海に繰り出した。
みんなは水着に着替えて、 智子さんもビキニを着ていたが、 私は病み上がりだったので先ほどのバニヤンの木陰で、 みんなが遊んでいるのを見ながら持ってきた本を読んでいた。
智子さんって、 出るとこ出ていてナイスバディだなぁ……羨ましい。
そんな事を思いながら、 子供のようにはしゃいでいる4人を木陰から見ていた。
みんな、 学生の頃から本当に仲が良いんだ。 智子さんも……。
そう思うと、 何とも言えない疎外感を味わっていた。
あっ!