新そよ風に乗って ⑧ 〜慕情〜

動じない2人にからかわれながら、 高橋さんが玄関の鍵を閉めて明良さん達の部屋へと向かった。
明良さん達の部屋の中は、 また違った感じのカラーで統一されていて、 ハワイアンキルトの柄も違っていた。 明良さん達のお部屋の雰囲気も、 ハワイって雰囲気を醸し出していて、 素敵だった。
「仁く〜ん! お待たせぇ。 ランチにしよぉ」
明良さんが、 玄関に入るなり叫んでいる。
高橋さんと私も、 その後に続いてリビングに入った。
「おぉ! 陽子ちゃん。 大丈夫? もう、 復活出来たの? 何なら、 ランチを遅らせても良いんだからね。 もう少し、 休んでからでも大丈夫だよ?」
ソファーに座って雑誌を読んでいた仁さんが、 顔を上げてこちらを見た。
「す、 すみません。 こ心配をおかけしてしまって……あの……」
「腹減って、 倒れたらしい噂が……。 そして、 猛獣のような……」
「わわっ。 た、 高橋さん! 余計な事、 言わないで下さい」
「ハハッ……そうなの? 陽子ちゃん」
嫌だ。 仁さんまで、 真に受けちゃっている。
「仁さん。 ち、 違いますって」
慌てて、 両手で必死に否定のリアクションをした。
「必死だね、 陽子ちゃん。 わかった! わかったから、 疲れちゃうからもういいよ」
そう言って、 仁さんが必死に動かしている私の両腕を静かに下ろした。
コンコンコン。
エッ……?
後ろで、 軽やかにドアをノックする音がした。
今、 此処には……高橋さん。 明良さん。 仁さん。 全員、 リビングに居る。 だとすると……誰?  コテージのフロントの人? でも、 もうバゲージはあるし……。 すると、 高橋さんが覗き窓から外を見るなり、 直ぐにドアを開けた。
「Ha~i!」
だ、 誰? この人……。