「自分が幸せでなければ、 相手も幸せには出来ない。 よく言う、 一緒に幸せになろうっていうのは、 俺はあまり好きじゃない。 一緒に居れば、 幸せになれるのか? それは言葉では簡単に言えるが、 実際はそうではないと思う。 一緒にいる歳月が経ち、 振り返ってみた時に、 初めて幸せだったかどうか、 その答えが分かるんじゃないかって。 だから、 まだ不確かな自分のままで、 矢島さんといつも一緒にいたからといって、 本当にお互いが幸せになれるかと言ったら、 それはわからない。 お互いのどちらかの人生が先に終焉を迎える時。 ああ、 この人と一緒にいられて幸せだったと思う、 もしくは思われるような人生に、 俺はしたいと願っている」
高橋さん……。
「高橋さんは、 俺の言っている事は間違っているとおっしゃりたいんですか?」
中原さんが、 高橋さんをジッと見た。
「そうじゃないわよ。 イケメン中原も、 陽子ちゃんも、 可哀想な自分にいつまでも酔ってる場合じゃないって事。 そんな暇は、 ないって事よ」
山本さん……。
この人は、 いったいどこまで高橋さんの心を読んでいるんだろう? そして、 どれだけ苦労してきたんだろう? 今更ながら、 いつも明るい山本さんの影の部分を垣間見たような気がした。
「俺は、 過去に囚われていた時期もあったが、 積み重ねてきた未熟な時間も悪くなかったと、 今では思っている」
ミサさんとの事……。
「中原も矢島さんも、 勿論、 俺にも言える事なんだが……こんな不確かな世相にあって、 取り返せない過去を嘆いたり、 途方もない未来に怯えるより、 今というこの時を2人には大切にして欲しい」
「高橋さん。 俺……」
「良い事、 言うわね。 相変わらず、 貴博は。 でも……本当に、 陽子ちゃん置いていって大丈夫なの? 駐在期間は、 どのぐらいなの?」
うっ。
山本さんが、 際どい部分を突っ込んだ。
「そうですよ。 高橋さんは、 それで自分は納得出来ているかもしれないですけど、 矢島さんの……矢島さんの感情や思いは、 どうなるんですか?」
中原さんまで、 高橋さんに詰め寄っている。
「まだ期間は……はっきりとはしていないが、 多分3年ぐらいじゃないのか?」
「3年! 高橋さん。 矢島さんが、 そんなに長く耐えられると思っているんですか?」
「あ、 あの、 それは……」
高橋さん……。
「高橋さんは、 俺の言っている事は間違っているとおっしゃりたいんですか?」
中原さんが、 高橋さんをジッと見た。
「そうじゃないわよ。 イケメン中原も、 陽子ちゃんも、 可哀想な自分にいつまでも酔ってる場合じゃないって事。 そんな暇は、 ないって事よ」
山本さん……。
この人は、 いったいどこまで高橋さんの心を読んでいるんだろう? そして、 どれだけ苦労してきたんだろう? 今更ながら、 いつも明るい山本さんの影の部分を垣間見たような気がした。
「俺は、 過去に囚われていた時期もあったが、 積み重ねてきた未熟な時間も悪くなかったと、 今では思っている」
ミサさんとの事……。
「中原も矢島さんも、 勿論、 俺にも言える事なんだが……こんな不確かな世相にあって、 取り返せない過去を嘆いたり、 途方もない未来に怯えるより、 今というこの時を2人には大切にして欲しい」
「高橋さん。 俺……」
「良い事、 言うわね。 相変わらず、 貴博は。 でも……本当に、 陽子ちゃん置いていって大丈夫なの? 駐在期間は、 どのぐらいなの?」
うっ。
山本さんが、 際どい部分を突っ込んだ。
「そうですよ。 高橋さんは、 それで自分は納得出来ているかもしれないですけど、 矢島さんの……矢島さんの感情や思いは、 どうなるんですか?」
中原さんまで、 高橋さんに詰め寄っている。
「まだ期間は……はっきりとはしていないが、 多分3年ぐらいじゃないのか?」
「3年! 高橋さん。 矢島さんが、 そんなに長く耐えられると思っているんですか?」
「あ、 あの、 それは……」


