「どうだった?どんな印象?」


家に帰り、母親から質問攻め。



「同じ名前…」



何が印象的って聞かれたら…。

これぐらいしか答えられない…。



「昨日話しただろ?好きな人のこと…。好きな人の名前、『ゆみ』っていうんだよ…」



俺にはできないよ。

舞岡さんを忘れるなんてこと。

他の人と結婚だなんて…




「もう…諦めるわ…。好きにしなさい」




母親が悲しそうな目をしながら、寝室へと向かった。


叶わぬ恋に必死な俺にあきれたのかもしれない…。



夜遅かったが、音を立てないようにそっと実家を出て、マンションに戻った。