「ごめんねー俺のせいで。怒ってるでしょ?」

 おそらくニヤニヤしながら言っているのが声のトーンで分かった。

「……私を利用しないでよ」
 少し低めのトーンで話した。

「……え?バレた?鋭いね君。
 面白そうな人が隣で嬉しいなー、俺は月島湊《みなと》よろしくね」

 面白いおもちゃを見つけたような口調で言った。

「……」

「無視しないでよ、君名前は?」

正直答えたくないけど言わないと私が酷い奴になってしまう。

「……佐久間です」

 私はぶっきらぼうに答えた。


「下の名前も教えてよ」

「行っても覚える気ないでしょ」
私は彼みたいなタイプは本当に苦手だ。

「……酷いなー俺そんなふうに見える?」
「うん」

「即答しないでよ笑、ちゃんと知りたいから教えて」


「あまり話しかけないで、あなた凄く目立つからさっきから女子の視線が痛いの。目立ちたくないの」
 
私は彼の質問に答えず言った。
こんな事で高校生活を壊されたくない。
目立ちたくない。


 私の言葉を最後に彼は話しかけてこなかった。
私は初対面の彼に酷い態度をとった。


その後HRなど行い高校生活初日が終わった。