あれから一週間、花恋から言われた通り、私は晃を嫌うことにした。



嫌いになれるか分からないけど。



「あ、竹内さんー!」



「はい!なんですか先生」



昼休み、担任の若林先生が困った様子で私に尋ねてきた。



「ごめんなさいね。私今日出張で、授業プリント配らなくちゃいけないのにもう行かないといけないの。学級委員は食堂に行っちゃったぽいから、配って貰ってもいいかしら?」



「はい!いいですよ!ちなみになんで私なんですか!」



「……怖い顔しないでよ。ちゃんといちごオレ買ってあげますから」



「やったー!」


若林先生はため息混じりに「じゃあお願いね」と言って教室を出た。



若林先生は美人で話しやすい女の先生。ノリが良くて、この学校で一番仲が良い。



プリントを配っている最中、ある問題に気が付いた。



「晃に渡さないと行けないのか」


教室には杏珠ちゃんと話している晃を見つける。あれから、私は晃に全く話しかけてもいないし、目も合わせていない。