「なに、いや?」



「いえいえ!そ、そういう先輩も凄くいい匂いしますね!?私、先輩の匂いいつも好きです(?)」


「ええぇ、不意打ちずるだよ日菜ちゃん。マジで可愛い。もしかして、俺のこと狙ってる?誘ってる?今日、俺の家泊まる?」



「はい…………んんんんん???!だからっ!何言ってるんですか!違います!行きませんっ!ごめんなっさいっ!」


「そんなに全力で拒否らんくてもよくない?俺傷つくよ?」



「だって、先輩が変な事言うから!」



暁人先輩と話してるとなんだかんだ楽しい。これで、晃のことも忘れられるかな。



「先輩、送ってくれてありがとうございました!」



「うん、じゃあね」


暁人先輩の背中を目だけで追いかけ、しばらく経ってから、家の中へ入ろうとしたその時、


「ほんと、なんなのお前」


私の手を無理やり掴んできたのは、忘れようとも忘れられない元彼だった。



「あ、あき……中条く「あきら」


「……え」