私には彼氏がいる。


でも、決して私を好きではない。


告白は何度も私からして、負けたとでも言いたげな顔で「分かった、付き合うよ」と言われた。


あの時は嬉しくてたまらなくて、幸せ満載だった。でも、晃は付き合った時から、冷たくなった。


朝教室へ入ると、私は必ず晃の元に行って挨拶をする。


中条晃(なかじょう あきら)


一目惚れじゃないよ。


顔で選んだんじゃない。誰にでも優しい晃を見て、好きになったんだよ。



「おはよう、晃」



「……はよ」