「お、尾崎君!まさか君も!」
「ああ、見えるよ。さて困ったな。この現象をどうやって説明しようか?」
四体に囲まれた尾崎君は、その内の一人、斑紋の男と睨み合っていた。得体の知れない者と対峙しているが、その瞳には一切の恐怖も感じない。それどころか冷静に観察しているようにも見える。考えが纏まったのか、視線をこちらに向けた尾崎君が言った。
「うん、時刻はちょうど日没。辺りは深い暗闇に覆われる。人は古来から、この時間に幻覚を見がちなんだ。視覚が失われていく恐怖と重なり、畏怖の念が心を支配していく。結果、ありもしない物が見える……という訳では無さそうだ。こんなにもはっきり見えるんだからな」
「当たり前だよ!これは、そんな理論的なものじゃないんだ!早くそこか」
思いの丈を込めた僕の助言は、最後まで言い終えることが出来なかった。彼が手のひらで制止したからだ。再び考えを纏めた様子の尾崎君が、仮説を続ける。
