***
ベルナルド様の執務室にある応接室のソファにベルナルド様、ルーカス様、アイシャと私の4人が腰かけて進まない話し合いが進められていた。
私達が『ベルナルド様の婚約者候補がカノン一人に絞られた』という噂を広めるつもりが、
国王陛下とお父様が手を組んで『婚約者決定』の噂に変え、周りを固めて行ったということだった。
「こうなってはお披露目しないわけにはいかなくなってきたぞ」
「それでは婚約してしまいますわ」
「・・・・どうにかならないか?」
ベルナルド様はルーカス様に問うた。
ルーカス様は両手をあげて、
「なりませんね」
とお手上げポーズを見せた。
「そうですね・・・しいて言うなら・・・」
「「「しいて言うなら?」」」
ごくリ。
「穏便な婚約破棄を」
そう言ってにっこりと微笑んだ。
「「「はあああああ」」」
「やはりそれしかないかあ」
「お待ちください。
それではカノン様に傷がついてしまいますわ」
焦るアイシャに私はひょいひょいと手を振った。
「いいのよ、アイシャ。私はどなたとも結婚したくないのだから」
「カノン様!」
「そうなのか!?」
「嘘だろ!?」
怒るアイシャと驚くルーカス様に疑うベルナルド様。
ルーカス様、敬語忘れていますわよ。
それに私が結婚しないって話は今更驚くことかしら?
「私、お伝えしておりましたよね?」
「そ、そうだが・・・。てっきりベルナルド様に近づく作戦か何かかと・・・」
「は?契約書まで結んでおいて何をおっしゃっているのやら」
瑠伽を思い出して愛のない結婚は断固拒否すると決めた。
その生まれ変わり(疑惑)のルーカス様が何を仰っているのだか?・・・まあ、本人、その記憶全くないようですけれど。
「俺も作戦だと思っていた…」
ベルナルド様は口元を抑えて呟いた。
「は?ベルナルド様までですか?」
「すまない・・・」
「はあ。ですが、まあ、誤解が解けて良かったですわ」
私はうなだれて首を揉んだ。
ベルナルド様は腕組みをしたまま、
「確かに、カノンと一緒にいても恋人同士のような甘い雰囲気にならないからおかしいとは思っていたのだ」
と言った。
その言葉にルーカス様が反応した。
「失礼ながら、お二人はデートの間、なんのお話をなさっていたのでございますか?」
「8割仕事、2割食べ物の話・・・かな?」
私に視線を向けるベルナルド様に大きく頷いた。
アイシャは
「はああああ。自己アピールしましょうよ」
がっくりとうなだれ、その横でルーカスは目を見開いていた。
どうやら信じられないようだ。
ベルナルド様の執務室にある応接室のソファにベルナルド様、ルーカス様、アイシャと私の4人が腰かけて進まない話し合いが進められていた。
私達が『ベルナルド様の婚約者候補がカノン一人に絞られた』という噂を広めるつもりが、
国王陛下とお父様が手を組んで『婚約者決定』の噂に変え、周りを固めて行ったということだった。
「こうなってはお披露目しないわけにはいかなくなってきたぞ」
「それでは婚約してしまいますわ」
「・・・・どうにかならないか?」
ベルナルド様はルーカス様に問うた。
ルーカス様は両手をあげて、
「なりませんね」
とお手上げポーズを見せた。
「そうですね・・・しいて言うなら・・・」
「「「しいて言うなら?」」」
ごくリ。
「穏便な婚約破棄を」
そう言ってにっこりと微笑んだ。
「「「はあああああ」」」
「やはりそれしかないかあ」
「お待ちください。
それではカノン様に傷がついてしまいますわ」
焦るアイシャに私はひょいひょいと手を振った。
「いいのよ、アイシャ。私はどなたとも結婚したくないのだから」
「カノン様!」
「そうなのか!?」
「嘘だろ!?」
怒るアイシャと驚くルーカス様に疑うベルナルド様。
ルーカス様、敬語忘れていますわよ。
それに私が結婚しないって話は今更驚くことかしら?
「私、お伝えしておりましたよね?」
「そ、そうだが・・・。てっきりベルナルド様に近づく作戦か何かかと・・・」
「は?契約書まで結んでおいて何をおっしゃっているのやら」
瑠伽を思い出して愛のない結婚は断固拒否すると決めた。
その生まれ変わり(疑惑)のルーカス様が何を仰っているのだか?・・・まあ、本人、その記憶全くないようですけれど。
「俺も作戦だと思っていた…」
ベルナルド様は口元を抑えて呟いた。
「は?ベルナルド様までですか?」
「すまない・・・」
「はあ。ですが、まあ、誤解が解けて良かったですわ」
私はうなだれて首を揉んだ。
ベルナルド様は腕組みをしたまま、
「確かに、カノンと一緒にいても恋人同士のような甘い雰囲気にならないからおかしいとは思っていたのだ」
と言った。
その言葉にルーカス様が反応した。
「失礼ながら、お二人はデートの間、なんのお話をなさっていたのでございますか?」
「8割仕事、2割食べ物の話・・・かな?」
私に視線を向けるベルナルド様に大きく頷いた。
アイシャは
「はああああ。自己アピールしましょうよ」
がっくりとうなだれ、その横でルーカスは目を見開いていた。
どうやら信じられないようだ。



