「え?ベルナルド様のお側にいなくていいのですか?」
とルーカス様に話しかけると、
「構いません。それにカノン様に尋ねたいこともありますので」
「そうでございますか」
ルーカス様のお家は公爵家で、貴族のトップに立つお家柄だ。
格下の伯爵家令嬢に私に対し、畏まった言葉使いはしなくてもよいのに口調が丁寧だった。
「それで、私に尋ねたいこととはどのようなことでございますか?」
「カノン様。あなたはベルナルド様の婚約者は諦めて、マルクス王子殿下の妃を目指すことにされたのですか?」
「は?」
不躾な質問に目を丸くする。
「先日マルクス王子殿下がカノン様に求婚をなさいました」
「ああ、それで・・・」
王城で怪我をしたのをお気になさって、責任を取って結婚するっていうアレのことをおっしゃっているのね。
「マルクス王子殿下の婚約者は王や皇族方が話し合われ、よくよく吟味した上で決定なさること。
とはいえ、聡明で計算が得意というカノン様のことですから、何かよいお考えがあるのではないでしょうか?」
つまり、王子の妃になるために何か画策してるのでないかと?
はあ、馬鹿馬鹿しい。
「王子殿下はまだ8つでございますよ。
私は18ですし、適齢期を迎えております。王子殿下が成人になるまで待てとおっしゃるのですか?
それって、現実味がございませんよね?」
「そうでしょうか?
5年後。王子が13歳になられた時、カノン様はまだ23歳です。
それでもありえないと?」
「ええ。その頃にはお歳の近い、かわいらしいご令嬢と出会っていらっしゃるのではないかしら?」
「ですが・・・「カノーーーン!カノンも遊ぼう!!」」
ルーカス様の声を遮るように王子殿下が大声で呼びかけた。
「いいですわよ!
そうですわね。
では、みんなで『キードロ』でもいたしましょうか?」
「「「キードロ?」」」
『キードロ』とは『騎士と泥棒』の略。
私発案と思われている鬼ごっこに類似する遊び・・・いわゆる『ケードロ』。
前世の記憶を思い出した私が説明し、3人のお子様たちに加えてベルナルド様、ルーカス様、アイシャも交えての大捕り物が繰り広げられることになったのだった。
*
*
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とルーカス様に話しかけると、
「構いません。それにカノン様に尋ねたいこともありますので」
「そうでございますか」
ルーカス様のお家は公爵家で、貴族のトップに立つお家柄だ。
格下の伯爵家令嬢に私に対し、畏まった言葉使いはしなくてもよいのに口調が丁寧だった。
「それで、私に尋ねたいこととはどのようなことでございますか?」
「カノン様。あなたはベルナルド様の婚約者は諦めて、マルクス王子殿下の妃を目指すことにされたのですか?」
「は?」
不躾な質問に目を丸くする。
「先日マルクス王子殿下がカノン様に求婚をなさいました」
「ああ、それで・・・」
王城で怪我をしたのをお気になさって、責任を取って結婚するっていうアレのことをおっしゃっているのね。
「マルクス王子殿下の婚約者は王や皇族方が話し合われ、よくよく吟味した上で決定なさること。
とはいえ、聡明で計算が得意というカノン様のことですから、何かよいお考えがあるのではないでしょうか?」
つまり、王子の妃になるために何か画策してるのでないかと?
はあ、馬鹿馬鹿しい。
「王子殿下はまだ8つでございますよ。
私は18ですし、適齢期を迎えております。王子殿下が成人になるまで待てとおっしゃるのですか?
それって、現実味がございませんよね?」
「そうでしょうか?
5年後。王子が13歳になられた時、カノン様はまだ23歳です。
それでもありえないと?」
「ええ。その頃にはお歳の近い、かわいらしいご令嬢と出会っていらっしゃるのではないかしら?」
「ですが・・・「カノーーーン!カノンも遊ぼう!!」」
ルーカス様の声を遮るように王子殿下が大声で呼びかけた。
「いいですわよ!
そうですわね。
では、みんなで『キードロ』でもいたしましょうか?」
「「「キードロ?」」」
『キードロ』とは『騎士と泥棒』の略。
私発案と思われている鬼ごっこに類似する遊び・・・いわゆる『ケードロ』。
前世の記憶を思い出した私が説明し、3人のお子様たちに加えてベルナルド様、ルーカス様、アイシャも交えての大捕り物が繰り広げられることになったのだった。
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