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そこは小さな部屋の一室。
見覚えがある白を基調とした家具。
この世界とは全く違うテーブルやソファなどがある。
「奏音」
恋人の瑠伽に呼ばれて振り返る。
私はお風呂上りに冷たい麦茶を飲もうと冷蔵庫を開けたまま、
「お茶、飲む?」
と尋ねた。
「うん、飲む」
と言って、瑠伽はソファからこちらに歩いてきた。
私の分のグラスも持ってくれたので、濡れた髪をタオルで拭きながら彼の後をついて二人掛けのソファの前の絨毯に座った。
瑠伽は膝の間に私を入れる様にソファに腰を降ろした。
「いらっしゃいませー」
と少しおどけて、タオルで私の髪を拭いてくれる。
そして、いつものように手にオイルをつけて髪になじませ、ドライヤーで髪を乾かし始めた。
「♪~」
鼻歌を歌いながら優しく髪を乾かしていく。
途中で頬にキスしたり、首筋に噛みついてくる。
くすぐったいと私が身動ぐと、
「じっとしないと危ないよ。
ほら、じっとして」
と言って私を真っ直ぐに座りなおさせ、両足で私を抱え込む。
そしてまたふざけながら髪を乾かす。
冷風後にドライヤーを止めて、頭にキスを一つ。
「はい、完成」
「ありがと」
と言うと同時に抱っこされる。
「奏~音ッ」
と、ウエストに腕を回してぎゅっと抱きしめられる。
「奏音って髪、綺麗だよね」
直毛過ぎてヘアアレンジの難しいストレートのこの髪を「好きだ」と言って、髪を一束とってキスを落とす。
瑠伽・・・好き・・・。



