「俺は勇太。君は?」
奴隷に名前なんて無かった。昔の名前なんて忘れた。だから俺はこう言うしか無かった。
「.......無い.........です........」
「そっか。じゃあ俺が君の名前つけるよ。
うーん、じゃあはると!どお?いい名前でしょ?」
「は..る...と...?」
ぼくの名前。奴隷になってから名前で呼ばれたことなんて無かった。
「漢字はどうしよっか?」
「すみません。ぼく、文字が書けなくて、」
「そうなの⁉︎じゃあこれから俺が教えるね」
信じられ無かった。奴隷に優しくする人がいるなんて。この人は信用できる。初めてそう思った。
「改めて、はると君これからよろしく!」