あいつは、俺の高校生時代の写真を見るなり、可愛いなどと言ってきた。




男が可愛いと言われて喜ぶはずがない。





だけど、嬉しそうに笑いながら、写真を見ているその姿がとても愛おしく思えた。






咲は、暫くぱらぱらとアルバムをめくっていたが、急にその手が止まり、ばん、と音を立てそれを閉じた。




その音に驚いていると、アルバムを本棚に戻し、帰る準備をし始めた。





そして、あっという間に玄関を飛び出していってしまった。





俺は何がなんだか分からなくて、ただ呆然としているしかなかった。