「…っ、あり、がと…」





耐え切れなくなって、ぽろりぽろりと落ちる涙。





「あー!もうっ。
 もっと酷い顔になるよ~」





そう言って、ポケットから出したハンカチで私の濡れた頬をぬぐう。








いつも



助けてもらってばっかりな私だけど




いつか



明美に恩返しできるかな





いつか



私も明美を助けてあげられるかな





いつか



明美の欲しい言葉をいってあげれる人になれるかな







明美の前ではじめて見せる涙の中、私はぼんやりと、そう思った。