「俺さ、 いつもこの席に座んだよ。 ほら、窓から桜並木の道、 見えんだろ? だから春とかなんて すっげー綺麗なんだよ。 …咲とも今年の春にあそこで 再会したんだよな……」 先生は雪で白く染まった、桜並木の道をみつめた。 やさしい、眼差しだった。 私は、なんだかその姿に涙が出そうになってしまい、慌てて話をそらした。