「…っ」 なんだかその写真を見たくなくて、卒業アルバムに、ばんと勢いよくはさんだ。 その音にびっくりしたのか先生が、声をあげる。 「うおっ!? なんだよ、突然」 「…なんでも…ないです。 すいません…」 そう言って、本棚に卒業アルバムを返した。 立ち上がり、コートをはおり、帰る仕度をする。 「…さき? どうしたよ? 帰る仕度なんかして…」 私の突拍子のない行動に、先生は呆気にとられていた。