「大丈夫ですよ。
 大学が忙しいのなら
 しょうがないことですし…


 でも…、やっぱ
 少し淋しいです。

 だから、今日みたいに
 会えるときにいっぱい
 先生を近くに
 感じておきたいです…」





そう笑って言うと、先生の瞳が、すっと優しく細められた。


私のそばに近づいてきて、椅子に座っている私を、ぎゅうっと抱きしめた。






「うん、俺も
 会えるときにたくさん
 咲を感じておきたい」






私達はしばらく抱き合っていた。





幸せなような


切ないような


嬉しいような


苦しいような




そんな不思議な時間だった。