「咲、首に巻いて」 先生はそう言うと、マフラーを私に渡した。 精一杯背伸びして、先生の首にマフラーを巻く。 「ははっ、あったけー」 先生から優しい笑みがこぼれる。 「ありがとう。嬉しいよ」と先生は言い、私の頬に手を伸ばす。 先生の唇が私の唇に近づく。 息が、かかる。