「触んないでくんない?」 声がしたかと思うと、ぐいっと誰かに手を引かれた。 男達の腕から解放され、そのまま私の手を引く誰かの胸に、ぼすりとおちた。 ふわり、 よく知っている匂いが鼻をくすぐった。 (…あ。この、におい…) 慌てて顔をあげる。 「こいつ、俺の」 見上げた先には、2人組の男達を睨む先生の姿。 その薄茶色の瞳に睨まれた男達は、ばつが悪そうな顔をして、そそくさと去っていた。