「あ、あの、わたし、
 人を待ってますので…」





怖くて、震える声で必死に断ると、男達はまた、にやりと不気味な笑みをつくる。





「いーじゃん!
 いこーよ。ほら、歩いて」





男達の手が私に伸びてくる。






「…っ、あ、あの!
 本当にやめてくださいっ!」






そう言って伸びてきた手を、ぱしりとはらった。




だが、男達は怯むことなく、顔を近づけてきて、私の耳元で囁いた。





「だいじょうぶだよ。
 痛いことなんてしないから…


 するのは、すっごく
 きもちいーこと。

 せっかくの
 クリスマスなんだし
 
 天国とか
 イっときたいでしょ?」





そして私の肩に手をのせ、無理矢理に歩かせる。



恐怖で声も、出ない。



周りにいる人達も、そんな私を見て見ぬふりをしていた。