「んじゃ、 早速いただくわ」 と俺は咲に言い、ケーキにフォークを刺し一口食べた。 味はというと、予想以上に美味くて結構驚いた。 そのことを彼女に伝えると、嬉しそうに笑った。 だが、ふと彼女の手を見て、俺はまた驚いた。 手を繋いで、このマンションにきた道のりの間、彼女は手袋をしていたから気づかなかった。 彼女の手は、 絆創膏で覆われていた。 中3の、あの時みたいに。