そのケーキを適当な大きさ切り、皿にのせ、沸かしたコーヒーをカップに注ぐ。 そして、それらをお盆にのせると、台所を出た。 部屋の扉を開け、中へ入ると、咲はソファーに座りぼんやりと外を見つめていた。 またコイツぼうっとしてんな、と思いながら咲に声をかけ、テーブルにお盆を置いた。 そんな俺に彼女は申し訳なさそうに、 「すいません。 先生の誕生日だっていうのに いろいろと やってもらっちゃって…」 ぺこりと、軽く頭を下げた。 そんな姿に、コイツは本当に律儀で真面目な女だと、笑えた。