しばらくして、先生は台所からお盆を片手にやってきた。 「はい、ケーキとコーヒー。 …あ、今更だけど咲、 コーヒー大丈夫だった?」 先生がソファーの近くにあるテーブルに、食器をカチャリと置いて、私に聞いた。 「あっ、大丈夫です! …ていうか、すいません。 先生の誕生日だっていうのに いろいろと やってもらっちゃって…」 そう申し訳なさそうに言った私に、 ホントお前まじめ~、こんくらい別にいーよ、と先生は笑いながら私の頭をがしがしと撫でた。