そう先生に言うと、彼は一層優しく笑った。 それが嬉しくて、幸せで、私もつられて笑った。 「なあ、咲… 俺が指輪をお前の左手の 薬指になんでしたか 理由…、わかる?」 「え…?えーと……、 なんででしょうか…?」 わからなくてそう聞くと、私の髪を撫でながら先生は答えた。 「俺さ、大学出たら 化学の教師に なろうと思ってんの。 そうしたら、 お前のことちゃんと 養っていくから… だからさ、 お前、高校卒業したら 俺ンとこ来いよ」