私も渉も泣いている。

娘が巣立っていく喜びと切なさと
今までの全てのことを思い出して____

そしてきっと願っている。

26年前の日、私達もきっと幸せだった。
その時は誰よりも。

莉緒には同じ道を辿ってほしくない。
莉緒はどうか幸せでありますように……と。

私達は結局1人芝居だったからね。
2人、二人三脚でどうかどうか自分の娘達は…と。



そして誓いのキスの時、
溢れる涙で視界を歪ませながら
必死に顔上げた瞬間_________________



経験した事も無いくらいのまばゆい光が
私達、夫婦を包んだのだ。