怯えながら家のものではない扱いを受け、光の見えないトンネルを歩き続けるのは苦しい。 この家に住み続けるなんて言わないけど、少しでも長く現実から逃れられるなら、いくらでもこの家に居て良いと声をかけてあげたい。 「あのさ」 「、はい…」 まだ怯えが取れない目。 「…洗い物、しようか。教えるから」 俺が声をかけるのは、まだ早そう。