痣の痛みと傷の痛みと謎の液体の痛みで、意識を飛ばしてしまいそうなところに、おじさんの冷静な声が耳に届いた。 「消毒するって言っただろ。痛いぐらい当たり前だって」 「…しょうどく?それは何ですか?」 「えっと…。消毒が何かって?傷に菌が入らないように綺麗に洗うんだけど…、したことない?」 とにかく痛くて何の返事かも分からず、首を横に振り続けると、おじさんは驚いていた。 世の中は消毒が当たり前なのかもしれない。