「傷消毒しよ。ちょっと待ってな」
〝情けない顔してるな〟と笑うと、私の家では見たことのない木箱が出てきた。
白いふわふわのティッシュのようなものに透明の液体を染み込ませて、それを私の傷につけた。
「…痛!ずっと痛い!まだ痛い!何で!?」
それはそれは悶絶する痛さで、叩かれていた時の痛みとは別の、皮膚をえぐられるような刺激で。
透明な液体に何の力があるのか、痛くて痛くてソファから体を反らせて逃げると、今度は体が痛んだ。
誘拐されて忘れていたけど、数時間前まで母親に殴られていて全身痣だらけ。
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