「落ち着いたか?どうだ?」 「……はい。迷惑かけて、ごめんなさい。こんなつもりじゃなかったんです。でも、どうにもならなくて」 「焦ることないよ。自分の中で怖いって思いと闘ってる証拠だから、逃げちゃダメだよ。あれで良い」 おじさんにも申し訳ないから、しばらく包丁は見たくない。 見慣れるまで時間がかかるし、使える自信がない。 おじさん、ごめんね。