まだ震える体を自分で抱きしめて家に入ると、部屋の隅で木が燃えていて暖かくて、それのおかげか怯えも消えるほど心地よかった。 私が居た物置は、夏は灼熱で冬は凍死寸前。 こんな良い場所は初めて。 でも、よく考えてみれば暖をとるためではなくて、この家ごと私も燃やしてしまうためだとも解釈できる。 「…やっぱり私、帰りたいです」 「ダメだって」 「殺されたくない!」 「お前は殺さない。…良いように使わせてもらうよ」