目を瞑って服を掴む力を強くすると、〝俺と同じように息をして〟という声が聞こえて、

おじさんの規則正しい呼吸に私も息を合わせる。



不思議と苦しさも無くなってきて、頭の中に色が戻ってきた。




「ここに居て良いんだよ。あんたの名前は俺がつけてやる。だから仲間はずれなんかじゃない」


「……しんどい」


「横になるか?今日はお風呂で倒れたり過呼吸になったり、忙しいな」




おじさんは笑ってるけど、私にとっては笑い事じゃないんだから。


でもここに居て良いって言葉を聞いて、まだ少し残る息苦しさの中、胸のあたりが温かくなった。