「何なの、この寒さ」


って…

寝起き早々怒ってるけど、そりゃパンツ一丁なんだから寒いに決まってる。





「とって」と指を指して私に指示してくる。

『自分でとってよ』



と、言いながらも優しい私は取ってあげた。





「あ、ズボン…ズボン干してねぇ」

『もしかして、洗濯機の中?』





急いで洗濯機の中を見るとはいはい、入ってます。

いつ干してくれるんだろうとズボンは聞いてそう。




これから浴室乾燥機をしても3時間はかかる…





『メンズの履く?』

「貸して」




私がぶかぶかで着ているメンズのスウェットを仕方なく貸した。



お気に入りだから、悲しいけど…

自分が招いたたねだから強いことは言えない。





先輩は、ちょうどいい感じだった。






先輩は用事があるらしく、慌ただしく帰っていった。

今の時刻11:00だからギリギリなんだろう。




先輩の残されたズボンは、悲しそうに浴槽のポールにぶら下がっている。