部屋の前のベンチでどれくらい待っていたのだろう。





30.40分くらいだろうか…

お医者さんと看護師が部屋から出てきた。




「今日から面会可能となりますが、ご両親の方々とお話しさせてもらいたいことがありますのでこちらににきて頂いてもよろしいでしょうか。」


と、

医師がお父さんとお母さんにお話ししていた。






「はい、」



お父さんとお母さんが口を合わせて返事をした。




何だろう…

いいことなんだろうか…悪いことなんだろうか。





「こちらの方は妹さんですか?」





へ?私?

あ、私って妹に見えるんだ…



嬉しいようで、全然嬉しくないんですけど…




言い直そうか、妹で通そうか、悩んでいると…「舜の彼女です」と、お父さんが言ってくれた。







「失礼しました。それではお父さんとお母さんこちらへ」

「舜のところに行ってあげて」



と、

言われ私は舜くんの病室へ入った。





窓側の左側と言ってたからここかな。

恐る恐るカーテンを覗いて見ると難しい顔でスマホを触っていた。







躊躇うことなく入っていき、私の存在に気付いた舜くんは「凛、ごめん」と謝って手を握られた。





うわ、舜くんだ…

ずっとこんなことを求めていたんだ、私は…






私は、何も答える事ができず涙が止まらなかった。

傷は多数ありそうだけど、無事会えて良かった。