「...きて、おきて、(らん)



なにか聞こえる



「藍。遅れるよ」



「んー、」


「藍、初日から遅れていってもいいの?」


「だめ...」

何とか目を開けて時計を見たら7:45


あっっ、


「やばいっ音央(ねお)ありがと!」


昨日入学式があって今日は登校初日

遅れたらやばい!


周囲の反対を押し切って入ったこの高校

この高校は偏差値が普通くらいだから有名校に通ってた私は親にすごい怒られたし新しい高校に友達は1人も居ない


それでもなんでここを選んだかって言うと、

音央が居るから


音央は私の憧れ!

優しくてかっこよくていつも助けてくれる



小さい頃から体が弱かった私は何でも否定されてきた。藍には無理、危ないからって何もさせて貰えなかった

でも音央がいるなら安心だって親も音央と一緒なら許してくれることも多くなって

少しでも知識を増やしたいって音央は県下1校しかない看護科があるこの高校に入った


少し大きくなって大体のことは自分一人でも許されるようになった。

音央はすごくかっこよくて私も音央みたいになりたいと思うようになった私はこの高校を選んだ




「準備できたよっ!ごめんね待たせちゃって」


「大丈夫だよ」


「起こしに来てくれた音央くんに感謝しろよ」


父さんがそう言う


「ありがとうっ音央!」


「俺が来たかっただけですよ」


さらっとそんなことまで言えちゃうの王子様みたいだよねっ


「私ね、自立しようと思うの!」


首を傾げてハテナを浮かべる音央


「もう私ひとりで学校行けるよ」


「...俺と行くの嫌なの?」


子犬のように悲しそうな潤んだ目で見つめてくる


「そんなことないよっ、でもね?」


「そっか、俺なんか要らないよね...」


うっ、


そんな顔で落ち込まれたら


「やっぱり一緒に行きたいなー」


こう言っちゃうしかないよねー


「もちろん、藍は俺が守るよ」


かっこいいなー


登校中考える



いつまでも音央に頼ってばっかりじゃだめだ、

わたしも音央みたいなかっこいい看護学生になるんだから