〜11年前〜


おばぁちゃんは、ずっと一人で仕事して頑張ってたけど体の調子が悪くなって私達の家にきた。

大正生まれでもしかしたら辛いことばかりの人生を歩んできたせいか何があっても動揺しない。

強い人だった。

だけどいつも笑っててお手玉作ったりあや取りも教えてくれた。

優しい人。


いつも割烹着で幼稚園まで迎えに来てくれては、横に並んで歩く私と弟を見て

「こら!真っ直ぐ並んで歩け!
走るな!
走るなってば!」

って毎日のように怒られた。

おばぁちゃんは、少しふくよかで秋田出身だからなまりがあった。

秋田でも青森の方だから小さかった私達にとっては、まるで外国語みたいななまりだった。

しまいにそのなまりは、私と弟まで浸透していくことになる。


みんなで海に行ったり戦争の体験を話してくれたりいつも一緒にいて大切な存在になっていた。

おばあちゃんの周りをグルグルと弟と走り回ると必ず
「あいや〜きしゃわるい。
グルグル回るなでひゃ。」

と怒られた。