「………そうだ、宗馬。そんなこと言ってる暇ねぇよ」
「え? マジ」
「ああ、マジ」
 良は左手首につけていた時計を見てから、目的地に着くため、ゼェゼェと息を切らして、走った。良と宗馬は学校へダッシュで向かった。
 だけど、どこかで誰かが見ているとはこの時、彼らは知らなかった。
「おい、お前ら遅刻だぞ。毎日、毎日」
 鐘が鳴ってから、20分ごろに彼らは学校に着いた。担当教師田村がこら~と彼らを指さして、一瞬、眉間にしわを寄せていたが、ため息交じりで吐いていた。