シッディ童話

「…うるさい。行くぞ」
「へいへい。月宮新も」
 笑いながら宗馬は月宮を見た。月宮は渋々と立ち上がり、彼らの後ろについてきた。
 バンッと屋上の扉を開くと、誰もいなくて空気が澄んで晴れやかな天気であった。
「んで、本題だけど。あんたもしかして『月(つき)』?」
 宗馬は腕を組み、月宮に怪訝そうな声で言った。
「……そうだよ。まぁ、二人がいることなんて分かってたけどな」
 鼻で笑い、彼らを見下ろすように月宮は言った。
「……分かってた? どういうことだ」
 宗馬は細い目で月宮を見つめた。