石段を上りきると、境内に延々と伸びた行列の最後尾へと、二人揃って並んだ。


「結構すごい人だな」

「うん。こんなに人気の神社だとは思わなかったよ」

「ははっ。だなー」


 先月、俺は一世一代の勇気を振り絞って、初めて女子に告白した。


 芹沢日菜。

 星ノ宮高校1年1組。俺のクラスメイトだ。


 小柄で、思わず突っつきたくなるような柔らかそうなほっぺたに、いつも楽しそうにほころんだ唇。

 彼女がニコニコしているのを見るだけで心が躍り、少しでも元気がなさそうだと一日中心配になった。

 でも、俺がホレたのは、そんな見た目だけじゃない。


 あれは、昨年の梅雨の初めの頃だっけか——。