「あのさあ、いちいちオレの邪魔しないでくれる?」

 ニコニコしているようでいて……目が全然笑っていない。


「は? なんのことだよ」

 一応、とぼけて見せる。


 ま、ムダだろうけど。


「日菜のことだよ。ねえ風間、わかってやってるよね?」


 なに勝手に芹沢のこと下の名前呼び捨てにしてんだよ。彼氏気取りかよ。ふざけんな。


 ……って、本人に言う度胸があれば苦労しねえっつーの。


「おまえ、本気で芹沢のこと好きなの?」

 ごくりとつばを飲むと、できるだけ平静を装って藤堂に問い返す。

「本気? 本気っていうかー、かわいいなーって、ずっと思ってたんだよねー」

 頬杖をついて、マイクを握りしめる芹沢の方に視線を向ける藤堂。


 は? 本気で好きじゃねえなら今すぐ手ぇ引けや。


「クリスマスは、明日が本番じゃん? ま、そのためにこうやって23日にみんなでクリパやってるわけだし。二人っきりで過ごす気は満々だけどね?」


 藤堂の言葉に、ぎゅっと膝の上で拳を握りしめる。


 俺は……俺だって……。