蒴蓏が素晴と共に行動を共にし始めた。
これは私の作戦を覆す行為だった。
私はずっといい日々を送りたかった。充実してて、楽しくて、安定した日々を。
小学校の頃から私は意外に頭が良くて、計画性もあった。
私の学校生活においての作戦、計画が失敗したことは無かった。
もちろん杏奈を学級委員にしたのも私が裏で回ったおかげ。
私は蒴蓏が謎に嫌いだったから、上手く嵌めたのだ。


私は案外ポーカーフェイスがうまくて、嫌いな蒴蓏に近づいて仲良くして、好きな人を聞き出した。
勿論その後は縁を切る。
学級委員になったら?と蒴蓏に吹き込んだのも私。
まんまとハマってくれた蒴蓏は、学級委員に立候補した。
次の私の言葉を聞いた蒴蓏は硬直した。

「私は柊杏奈さんがいいと思います!理由はクラスの事をよく見ていて頼り甲斐があるからです」

司会は蒴蓏を観たが続けた。
「此上さんと同じ意見の人は挙手をお願いします」
クラスの蒴蓏以外全員が一斉に手を上げる。
「ちょ、待ってください。柊さんの意見はまだ聞いてないですよね?私は立候補したいです」
まだ引き下がる蒴蓏にうんざりする。
モチが大声で言った。
「柊さんがいいってば!」
その言葉を引き金に蒴蓏に対しての悪口で教室はざわつく。
「そうだって!杏奈がピッタリじゃん!蒴蓏になんかできっこないって!」
モチに心から同意した私は大声でそう言った。
蒴蓏が赤面するのがわかる。