「柊さんがいいってば!!」
「そうでしょ、杏奈がぴったりじゃん!蒴蓏になんかできるわけないでしょ〜もう!」
「だってぇ、もう…。ねぇ、どう思う?素晴?私でいいよね?だって私、優しいいい人じゃん?」
「俺も杏奈がいいと思う〜」
蒴蓏が息を飲みのがわかった。

「男子は小優で!聞いてんのか?小優だよ小優!」
「おい、大志の意見の聞けよ!大志も立候補してるだろ?」
「莉音はかてぇな〜。でも転校生に司会は無理だろ?」
「学級委員、小優、杏奈!すげー優等生コラボじゃん!」
蒴蓏あからさまにがっかりした顔を見せると、絵里がニヤリと笑った。
「そっかー、蒴蓏ってば、小優と学級委員やりたかったんだねっ!」
「…絵里!やめてよ!」
「いいよねぇ、小優。でも杏奈選んじゃってごめんねぇ?知ってたら蒴蓏応援したんだけどねぇ?」
絵里のにやけた顔が頭の中に浮かぶ。
ブンブンと頭を振ってこの思い出を消す。消し去る。