好印象だった。

机の上には『おめでとう!』と書いた紙が置かれていたし、いい先生なんだと思った。

「はい!私学級委員やります」
そう言った快活そうな女の子にも、悪い印象は抱かず、それなりに仲良しになった。

それが、どうしてこうなったのか。私には未だに分からないままだ。



monologue.  杏奈 saido

「バスケのリーダーって、やっぱり柊さんだよね?」
「そうだよね!私もそう思う」
「え〜ありがとう...やってみようかな」
「うんうん!バスケリーダーなんてやってくれる人いないから大歓迎!バスケ上手くなくても大丈夫だよ!!」
口頭だけの信頼してますよ感。それがひしひしと伝わる。
貼り付けた笑みのまま、席に戻る。
「聴いたよ〜杏奈〜!バスケリーダーに結局なったんだね!」
「もう、絵里が誘ったくせに!」
ごめんって、と絵里が謝る。
いいよ、もう。どうせ来年挨拶もしてくれないような仲なんだからさ。
「学級委員も、バスケリーダーも、よくやるよね、杏奈ってさ」

そう、私は嫌だった学級委員になった。
あの日は、そう。曇りだった日。