KISSでチェンジ!

 さきほどまでと同じようにモジモジと手遊びをしながらアリスは言った。
「今?」

「が、頑張って作ったの! 捨てられたら、辛いから……」
 アリスはそう言って下唇を噛み締めた。

 いくらなんでも手作りクッキーを捨てたりはしないけれど、持ち帰ってきちんと食べるかと聞かれればそれもまたわからない。

 そもそも良明は甘いものが苦手だった。
家に持ち帰って両親にわたす可能性は十分にあった。

 アリスがそこまで見越しているのかどうかはわからないけれど、当たらずとも遠からずだ。
図星をつかれてしまった気分になった良明は小さな箱へ視線を落とした。

 自分で包装したためか、ところどころシワができている。
 アリスは昨日一人でこれを作って不器用ながらに準備をしてきたのだと思うと、ないがしろにする気持ちが失せてきた。