「よぉ」
新しい教科書でパンパンになったかばんを見て、これを持って帰るのかとげんなりしていたところ声をかけてきたのは良明だった。
良明は無表情で純を見下ろすようにして立っている。その肩には同じく教科書がパンパンに詰まったかばんをかけているのに、涼しい顔だ。
「なんだよ」
純は良明の突然の人気爆発ぶりに少々嫉妬を抱いていたので、仏頂面で答えた。
「帰るぞ」
良明はなにかを言うときに簡潔すぎる。
小中学校の頃にはそれが恐いとか冷たいと言われて少し敬遠されていたのだけれど、中学生になるとクールとか、大人というイメージに変わってしまったようだ。
女子たちはほんの数時間の内に良明がファンサービスなど無縁の男だとわかっただろうに、廊下で出待ちをしている子がざっと数えても二十人くらいいる。
さっきから廊下がやかましいなと思っていたけれど、やっぱりこいつのせいだったらしい。
憎らしさが膨れ上がって良明をにらみ上げる。
新しい教科書でパンパンになったかばんを見て、これを持って帰るのかとげんなりしていたところ声をかけてきたのは良明だった。
良明は無表情で純を見下ろすようにして立っている。その肩には同じく教科書がパンパンに詰まったかばんをかけているのに、涼しい顔だ。
「なんだよ」
純は良明の突然の人気爆発ぶりに少々嫉妬を抱いていたので、仏頂面で答えた。
「帰るぞ」
良明はなにかを言うときに簡潔すぎる。
小中学校の頃にはそれが恐いとか冷たいと言われて少し敬遠されていたのだけれど、中学生になるとクールとか、大人というイメージに変わってしまったようだ。
女子たちはほんの数時間の内に良明がファンサービスなど無縁の男だとわかっただろうに、廊下で出待ちをしている子がざっと数えても二十人くらいいる。
さっきから廊下がやかましいなと思っていたけれど、やっぱりこいつのせいだったらしい。
憎らしさが膨れ上がって良明をにらみ上げる。



