KISSでチェンジ!

結局10分ほどしただけですぐに視線をスマホから上げていた。
教室の中を見回してみても純はまだ戻ってきていない。

どこでなにをしているのか、ついきいに鳴ってしまうのは常に一緒にいたからだろう。
再び視線をスマホへ移したとき、3人組の女子生徒たちが近づいてきた。

「良明くん、今暇?」
「まぁ、暇は暇だけど」

純がいないと、あまり人の輪に入ることもない。

純は良明のことを人気者だと思っているけれど、人気者であることと、友人が多いことは別だと感じている。

「クッキー焼いてきたんだけど、どうかな?」
クッキーと聞いて一瞬背筋が寒くなる。

ストーカーに食べさせられた青いクッキーを嫌でも思い出してしまうのだ。
あれ以来良明は甘いものをあまり食べなくなった。